第49回内田樹読書会レポート

5月25日(木)に第49回内田樹読書会を行いました。
課題図書は、三木清さんの「人生論ノート」(角川ソフィア文庫)です。「人生」について
男性6人、女性4人、合計10人で語りあいました。

★課題図書「人生論ノート」三木清 解説岸見一郎 角川ソフィア文庫 ¥600(税別)

それではトピックです!

※目次「死」「幸福」「懐疑」「習慣」「虚栄」「名誉心」「怒り」「人間の条件」「孤独」「嫉妬」「成功」
「瞑想」「噂」「利己主義」「健康」「秩序」「感傷」「仮説」「偽善」「娯楽」「希望」「旅」「個性」について

※感想 
・非常に難しかった。あえて難しく書いている。(戦前という時代背景で、作家や思想家は特高から目をつけられていたためか?)
・三木氏は、思想犯として逮捕・投獄され、終戦を迎えても釈放されず、独房で一人病に苦しみ49歳の若さで獄死した。

※「嫉妬」について
・嫉妬は自分の嫌な感情に向き合う。自分を見つめるきっかけとなる。
・恋愛感情においての嫉妬?能力にある人に対しての嫉妬か?
・「羨む」と「妬む」の違い。「羨む」は、能力が高い人に対して自分をそこまで高めようとする。「妬む」は、相手を自分のレベルまで落とし込む。
・嫉妬を感じたのは、勉強という激しい競争の中に入ったから。ものを良く知らなかった時代の方が楽しく生きられた。勉強したことによって嫉妬や嫌な感情や足の引っ張り合いが起こったような気がする。

※「幸福」「成功」について
・幸せを考えることが幸せであるという言葉が印象に残った。
・今の世の中は、幸福というより「飢餓感」が蔓延しているように感じる。
・本が読めるのは幸せ。
‘成功’と‘幸福’とを不成功と不幸とを同一視するようになって以来、人間は真の幸福は何であるかを理解しえなくなった。自分の不幸を不成功として考えている人間こそ、まことに憐れむべきである。
(P85本文より引用)
・女性の成功っていい条件の人と結婚することかな~?「勝ち組」「負け組」とかあった。
・「となりの芝生が青い」的現象。
・就職についても就活で企業に入れた事で成功と見做す風潮。自分で起業することも出来るのになぜ
 そうしないのかな?もっと成功するかもしれないのに・・・。
・成功は時間軸だと思う。成功とは期間限定でその状態を示すことだと思う。
・幸福は成功ではなく、そう感じた瞬間の集まりが「幸福」であるということだと思う。
・‘一種のスポーツとして成功を追求する者は健全である’(P87本文より引用)という行は、成功は
一種のゲームとしてとらえているから、人生そのものではないという解釈。すごく皮肉が効いている。
・アメリカでは成功=お金=幸福という感じがする。アメリカンドリーム。歴史が浅く伝統もないから物質的なもので証明しようとしているかも。
・年を重ねると物質的な執着はなくなる。他人との接し方も変化。自分の気持ちを大切にする。余計なことは考えない。
・今の若者は物欲が無い。結婚・離婚の考えかたも多様化。無理に競争に組み入れて欲しくないというのが本音。
・車を持っている今の若者は、車はファッションアイテムの一つ、自分を表現するためのツールと考えている人たちと、ただの移動手段と考えている人たちの二極化。バブル世代のような価値観は無い。
結婚式についても同じ。フォトジェニックなものにこだわる。自分たちだけの価値観を大切にする。

※「孤独」「旅」について
・著者は「孤独」を推奨している。精神的な孤独。(雑踏に中にいるときほど孤独)
・「独居」は「孤独」ではなく一人でいると言う状態に過ぎない。
・「孤独」は自分との対話。(深夜のダイナーで、旅先で・・・。)
・目的を持って旅に出るのは多数派。(歴女の墓参り旅が流行中。)目的もなく旅に出る、あるいは感傷を求めて旅に出るのは少数派。
・毎日の決まったルーティンの中からの脱出。それが漂泊なのか?その漂泊に浸りたくて旅に出る、非日常の旅。そして旅は一人。ここで真の「孤独」に向き合うことが出来る。
・‘旅において真に自由な人は、人生において真に自由な人である’(本文より)その通りだと思う。

※「死」について
・還暦になると残りの人生を数えてしまう。死を恐れなくなる。悔いはない。余命宣告されれば残った時間を悔いなく生きることが出来る。
・死別が多くなると、死への恐怖が減った。
・死への恐怖はあるか?ないか?
・繋がりがなくなり自分一人になったら生きて行くのが恐くなるかも。繋がりが切れるのが一番怖い。
・若者は、単に「死」に対する恐怖。自分がどうなるかを考えると怖い。

「人生論ノート」が難解でしたが、皆さんと話すことによって理解が深まったような気がしました。カオスな現代社会だからこそ、あえてきちんと「人生」について考える。大切なことだと思いました。

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