心霊探偵八雲ANOTHERFILES第4弾、味わい深い短編集。

心霊探偵八雲シリーズは、本編の第10作目が発売に
なりました。(まだ読んでいないのですが・・・・。)
ファンは待ちに待っていた作品。

その発売前に、心霊探偵八雲ANOTHERFILESシリーズ
第4弾「亡霊の願い」が発売になっています。
先日やっと読みました。

八雲と晴香、何だか久しぶりに友達に会ったっていう
感じで読んでしまいました。

八雲と晴香が通う大学では、学園祭が近くなって、何となく
ざわついている。

晴香はサークルの発表の準備で忙しい中、
友人から心霊相談を受け、八雲に助けを求めに行くが
いつものきつ~い言葉を浴びる羽目になる。

演劇部の友人からは、練習中に妙な出来事が続き、
それが霊の仕業ではないかと相談を受ける。

自分は呪われていると八雲に相談する女性。
その二人を偶然見かけた晴香は心穏やかではない。
晴香の方は男性の友人から、霊に憑りつかれている
ような気がすると相談を受ける。

映画サークルで撮影したホラー映画に妙なものが
写り込んでいた。そして怪現象が・・・。
映画サークルの友人から相談を受けた晴香。
呪いのホラー映画ビデオの行方は!?

友人からの相談に、ついつい乗ってしまう晴香。
八雲はそんな晴香から持ち込まれるやっかいな
事件にため息をつきつつも真剣に取り組む。
霊は何らかの意図があり、誰かに伝えたいのだ。
そんな霊の声を聞く。
八雲の優しさと厳しさが魂を救う。

八雲と晴香、相変わらずの関係だが・・・。
本編新作第10作目が気になるな~。
読みたい・・・。

『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES 亡霊の願い』
著者:神永学
出版社:KADOKAWA(文庫)
価格:¥600(税別)

祝!アニメ化決定「バチカン奇跡調査官」。シリーズ最新作は短編!

2017年夏にTVアニメ化決定です。
ファンとしては嬉しい限り!!!!

それはさておき、「バチカン奇跡調査官」シリーズ
最新作は短編集。「ゾンビ殺人事件」です。

今回の短編集は、ロベルト&平賀の他に
サブキャラクターである、FBI捜査官、ビル・サスキンス
凶悪犯罪者・ローレン&イタリアのカラビ二エリ・メデオ大尉が登場。

短編なのに、読み応えがあり、かなり面白かった。

1、チャイナタウン・ラブソディ
閑職にまわされている、FBI捜査官、ビル・サスキンス。
彼のただ一人の部下は中国人の周弥貝(ジョウミーベイ)、
通称ミシェルだ。
ある日、彼の婚約者がチャイナタウンで何者かに誘拐された。
それがどうも、妖怪のしわざらしい・・・・。
その正体は、不老不死を願いとうとう妖怪になってしまった
秦の始皇帝。彼は本当に死なない身体を求め、300年に一度
ある特徴をもった女性の生き血を飲み干す。
その特徴を持った女性こそ、ミシェルの婚約者だったのだ。
ビルは半信半疑・・・。だが実際に始皇帝とともに眠っていた
兵馬俑が、美術館でいきなり動き始めた映像を見て真実と確信。
ミシェルの婚約者を救うために、ビルも一肌脱ぐことに・・・。
そんなビッグな妖怪、どうやって倒す・・・?
中国の妖怪伝説をお姫様救出劇に変化させた、スリリングな一編。

2、マギー・ウオーカーは眠らない
世界でも指折りの科学者、マギー・ウオーカー。
トップクラスの科学者が集まる研究所の主任。
ただ、考え方はあまりにも合理的すぎて超変わり者。
そんな彼女はある日、マフィアによる殺人事件を目撃した。
夫婦らしき男女が殺され、その男児が1人遺されてしまった。
マギーは男児を助けたが、その子の面倒などみていられない・・・。
男児のグランマの住所もわかり、そこへ電話をしたのだが、
何やらきな臭い男どもが見張っているようだ・・・。
仕方なく、マギーはその子を助けることにする。
マギーは、自分をグランマと思い込みくっついてくる
男児に次第に心惹かれるが、そんな感情に一切
振り回されることなく、どうしたら助けられるのか?
一番合理的な解決策を思いつく。
子どもが苦手だけど、子どもの扱いは非常に上手い
マギーの行動力に拍手!!!!

3、絵画の描き方
ある日、平賀の元へバチカンの絵画修復士と名のる
青年が訪ねてきた。
青年は、バチカンの倉庫に眠る絵画の管理をしているようで、
その中に仕舞われていた、ある画家に心を奪われてしまった
という。修復するにしても、どのような絵の具が使われて
いるのか?調べたがどうしても解明出来ず、バチカン
科学部を訪ねてきたらしい。
平賀はその青年の熱い心に打たれ、絵の具解明に乗り出すが・・・。
結局、ロベルトに頼ることに・・・。
ロベルトと平賀は休日を返上し、絵画修復士のために
実際に絵の具をつくることなる。
その過程で、奇跡が起こる・・・というストーリー。
このエピソードはとても心が温かくなる。

4、ゾンビ殺人事件
イタリアの森で、男女がゾンビに襲われると言う
衝撃的な事件が発生した。しかも襲われた女性を
助けるためにそのゾンビを殺害したという。
ゾンビを殺害・・・?もう死んでるんだけど????
そのような怪事件は、カラビ二エリのメデオ大尉のところに
回ってくる。彼はこれまで誰も解明できない奇妙な
事件を次々に解決し、どんどん出世していたのだ。
だが、彼をサポートしていたのは、凶悪犯罪者・
ローレン。今回もローレンに泣きついた、メデオ大尉は
ローレンに心酔する、心理捜査官・フィオナとともに
捜査を開始。だが大量のゾンビが発見され、さらに
混迷を極めてしまった!?
またまたローレンの鋭い洞察力と鮮やかな推理に感心する。
海外では、やはりゾンビって信じられているのかな?

傑作な4編。思い切り堪能しました!!

『バチカン奇跡調査官 ゾンビ殺人事件』
著者:藤木稟
出版社:KADOKAWA(文庫)
価格:¥600(税別)

恐すぎました・・・。「黒面の狐」

ホラーミステリの第一人者、三津田信三さんの
「黒面の狐」(文藝春秋)を読みました。

以前、三津田さんの「怪談のテープおこし」を
読んだ時はもろ怪談だったので、恐かったのですが
この「黒面の狐」は、もっと超自然的な恐ろしさを
感じてしまい、小説なのにとても怖いなと感じました。

戦後、朝鮮から引き揚げてきた一人の青年・物理波矢多(もとろいはやた)。
居場所はなく、なんとなくやってきた町でぶらりとしていると、
炭坑の手配師らしき男に声をかけられた。
少し強引なやり口だったが、今なら炭坑夫くらいしか
仕事口はないだろうと思い、ふらふらとその手配師についていった。
その矢先、別の男から声をかけられた。
波矢多は知的で優しそうなその男に、危うい炭坑に連行される
ところを助けられたのだ。
二人は何となく意気投合し、男が務める炭坑で共に働くことになった。

ただ、波矢多は朝鮮の大学を卒業しており、
それが炭坑の上層部にばれるとなにかと目をつけられるので、
黙って炭坑夫を続けた方が良いと言われた。

毎日、暗い穴のような所で汗だくになりながら炭を掘るのは
重労働だった。
しかも、炭坑にはタブーがあり、怪事件に遭遇した男もいた。
その中で特に興味深いのは、狐の面をかぶった美しい女の話だった。
いるはずもない炭坑のなかに出没する、狐の面の美女。
その女に魅入られると男はみんなおかしくなり、消えてしまう。

波矢多が仕事に慣れた頃、大参事が起こった。
ガス漏れが原因で炭坑内で爆発が起こったのだ!
波矢多は助かったが、親友は穴の中へ取り残されてしまった。
助けに行きたかったが、ガスが充満して2次災害が起こる
可能性があるため、会社の指示に従うことになった・・・。
そして、この事故からのち、不可思議な連続殺人事件が起こった。
さらに、事件の現場で目撃される、黒面の狐の姿・・・。
一体何が起こっているのか・・?
波矢多は事件を調べることに・・・。

炭坑内で起こる不思議な怪事件と、後半に起こった連続殺人事件。
2つの事件は繋がっているのか?
調査の過程で見つかったある朝鮮人青年の炭坑での記録!
それは目を覆いたくなるような、朝鮮人に対する日本人の
悪行が綴られていた。
朝鮮人たちの恐怖は、怪奇現象でも真っ暗な炭坑でもない。
日本人こそが恐怖だったのだ。

太平洋戦争中、強制的に日本に連れてこられ炭坑夫として働かされた
朝鮮人たちの無念が物語から浮かびあがってくる。
その叫びのようなものを、このような形で著者は描いた。

まさに背筋が凍るほどの衝撃!!!
覚悟して読んでください。

『黒面の狐』
著者:三津田信三
出版社:文藝春秋
価格:¥1,800(税別)

本当に鳥肌物!!「夜行」

本屋大賞にノミネートされた、「夜行」を読みました。

森見さんの作品は「ペンギン・ハイウエイ」「聖なる怠け者の冒険」
などファンタジックな作品は読んだけれど、今回の「夜行」は
ホラー?
読めば読むほど鳥肌が立つ・・・。

尾道、奥飛騨、津軽、天竜峡、鞍馬。
旅先で出会う謎の連作絵画「夜行」。
その絵は不思議な絵だ。

尾道で妻と連絡がつかなくなった夫が、ある廃屋で
妻とそっくりな女性と出会う。
その女性は妻なのか?それとも違う人物なのか?
ホテルの男性スタッフはそこには誰もいないというが・・・。

奥飛騨に旅行にいった男女4人。
その途中で年配の女性を同乗させた。
その女性は「未来が見える」と言った。
そして、車の中の二人に「死相」が見える
と言ったのだ。
その言葉を誰も信じなかったが、宿についたとき
その二人とはぐれてしまった・・・。

津軽へ向かうため、寝台列車「あけぼの」に乗っていた
夫婦とその友人。
その友人が列車で通る時に火事を見たと言った。
さらにそこで手を振る女性を見たと・・・。
そんなはずはない。燃える家を確かめるため、列車を降りた
3人。その途中で友人が見えなくなる。
妻はその家が気なって仕方ないが、夫は不気味な雰囲気に
恐怖を感じ、家から離れるように促すが・・・。

天竜峡に行く飯田線に乗車した時のこと。
女子高生と坊さんと同乗した男性。
女子高生の不思議な魅力に取り込まれそうになる。
かたや坊さんは、その女子高生を恐れているように
見える。
この女子高生は一体何者だろう・・・?
そう考えた時にふとじわっと恐怖が背中を
這いあがってきた・・・。

この4つの物語には連作絵画「夜行」が登場する。
その不気味な絵と物語の不気味な繋がり・・・。
読んでいると次第にぶわ~っと鳥肌が立ってくる。
この本の不気味さになかなか気がつかない。
最終の「鞍馬」を読んだときにホッと一息
つくが、それまでの何とも言えない怖さは筆舌に尽しがたい。

初めて読んだ森見さんの本格ホラー。
何とも不可思議な体験をしているようだった・・・。

『夜行』
著者:森見登美彦
出版社:小学館
価格:¥1,400(税別)

本の学校で「意外な組合せが面白いミステリー」ミニフェア開催パート2

前回に引き続き、本の学校で開催中の
「意外な組合せが面白いミステリー」ミニフェアの紹介です。

今野敏さんの作品には「意外な組合せ」がたくさんある。
「心霊特捜」(双葉社文庫)は、神奈川県警に心霊現象
を専門に捜査する部署があり、個性的な刑事たちが
その現象の原因を突き止め事件を解決するという、
今までの警察小説にはない大胆な設定が面白い!
また、「警視庁捜査一課・碓氷弘一」シリーズは、
ベテラン刑事・碓氷弘一が、事件が起こる度に、刑事ではないが
事件捜査に必要不可欠なスペシャリストとコンビを組まされるという設定。
最近文庫化された「ペトロ」は、象形文字が事件の鍵。
碓氷の相棒はなんと、古代史が専門で日本語ペラペラの外国人大学助教授。
二人の活躍に注目!
さらに「わが名はオズヌ」(徳間文庫)は、軟弱な男子高校生・賀茂晶に
1000年前の修験道の祖・役小角(エンノオズヌ)が転生し、現代の悪を斬る!
という設定。頼りない賀茂晶にオズヌが転生し、悪人を静かに倒すシーンは
めちゃめちゃかっこいいんです。
その系列で言うと、「陰陽」「憑物」(KADOKAWA文庫)は現代の人間の心の闇に
つけ込んだ亡者たちを、祓い師・鬼龍光一が倒す。
こちらもおススメ。

などなど面白くていっきに読める作品を集めています!
ぜひのぞいてみてください。

ゾワッと鳥肌が・・・「怪談のテープ起こし」

三津田信三さんの「怪談のテープ起こし」を読みました。
装丁、恐い・・・・!!!

三津田さんの作品は刀城言耶シリーズを読んだり、
怪談ものを読んでみたり・・・。
好きなのですが、夜眠れなくなるくらい恐いので
控えめにしていたのです。
が・・・「怪談のテープ起こし」は吸い寄せられてしまいました。

障りがないと良いのですが・・・
三津田さんもこの本の中でしきりに読者を心配していらっしゃいます。

テープ起こし

かなり、ノンフィクション的な手法を使っているので、
実際に本当に起こったことなのでは・・?と思ってしまいます。
「水」がからむ怪談の連作短編。

「死人のテープ起こし」は自殺者の最期の声を起こしたものですが、
最初は自分の状況を嘆いたりする声なのが、次第に不気味な音が
入り混じってくる。

一番恐いと感じた「留守番の夜」はバイト代につられて
ある大きな洋館で一晩留守番をする女性の話。
3Fに夫婦の伯母が同居していて、顔を合わせなかったら
大丈夫だと念を押される。そしてその夫婦が出かけた後、
3Fからやたらともの音が!同居の伯母はすでに亡くなっている
と妻の方から聞いていたのに・・・。
広い洋館にたった一人留守番する恐ろしさに鳥肌が・・・。

「集まった4人」、友人の誘いで登山ををすることになった青年。
だが、駅に行くと友人はおらず、その友人から誘われたらしい
登山者たちがいた。そこで青年の携帯に自分は行けないが
リーダーとして他のものを連れて行って欲しいとの連絡が入った。
見知らぬ人たちとの登山が始まった・・・。
そして、不気味なメールが入る。そのメールが届いてから
他の登山者たちの様子がおかしくなり始める。
クリスティの「そして誰もいなくなった」を意識した創り。

「屍と寝るな」これも不気味な話。
不気味な老人の語る話がめちゃめちゃ恐い。
子どもの時に家のお使いで、香典を持って行かされたときに
祖母がコックリさんで占ってくれたら、
「しかばねとねるな」と出た。いったいどういう意味・・・?
老人の口から飛び出す意味不明の言葉がとんでもなく気持ち悪い。

「黄雨女」。大学生が出会った不気味な女。
雨が降っていないのに黄色い合羽を着込み,
長靴も黄色。全身黄色づくめの女。
その大学生の彼女が「黄雨女」と名付けた。
なぜ彼のもとに現れるのか・・・?

「すれちがうもの」は全く身に覚えなのない一輪挿しがマンションの
ドアの前に置いてあった日から、黒い人影が視えるようになった
OL。踏み切りの向こう側から毎日見える。それが次第に自分に
近づいてくるような気がする・・・。
一体なぜ??

最後の2編は怖すぎて、自宅に帰るのが恐くなったほどだ。
また短編の合間に挿入される、作家と担当編集者との
やりとりが、この短編集が実話なのかそうでないのか
という疑惑を持たせる。

どの短編もぞわ~っと鳥肌が立ってきて
こんなことに出会ったら絶対にイヤ!と思ってしまう。

『怪談のテープ起こし』
著者:三津田信三
出版社:集英社
価格:¥1,600(税別)

幻の名作!究極のホラーミステリー「血の季節」

この度、幻の名作として復刊された『血の季節』の著者は
あの名作ミステリー『弁護側の証人』の著者、小泉喜美子さんだ。

『弁護側の証人』は、強烈な大どんでん返しで、
古今の読者の度肝を抜いた法廷ミステリー。
これの初出は、昭和38年。著者のデビュー作でもある。
小泉さんはこのあと、女流ミステリー作家として活躍!
さらに、海外のミステリ作家(P・Dジェイムズなど)
の作品の翻訳も手がけた。

『血の季節』はなんと、吸血鬼伝説がテーマになっている
ホラーミステリーだ。
ホラーと言ってもそれほどの恐ろしさは無く、
むしろ、切なくなると言った方が良いかも知れない
女性ならではのタッチが素晴らしく、格調高い。

血の季節

昭和五十×年、女児殺害の容疑で一人の男が逮捕された。
男は、まじめで知的、凶暴な面はなく、罪を逃れる
ために嘘をついたりしない、物静かに刑の確定を
待っていた。男の弁護士は何とか死刑だけは
免れさせてやりたいとの気持ちで、精神科医の権威に
男の再鑑定を依頼した。
弁護士は「どうもどこか正常ではないと思われるのに
どこがどう正常でないのか説明がつかず、医学的にも
法律的にも実証し得なかった」と言った。

そんな男に興味を持った精神科医は、その男が語る物語を静かに
聞きはじめる・・・。
40年前、男が小学生だった頃、ある国の公使館で金髪碧眼の
兄妹と交遊した非日常の想い出。
美しくはかなった彼らの母の死、そして、その母に
想いを寄せた、公使の部下。
やがて中学生になった男は、成長する友の妹の美しさに
惹かれ始める。だがある夏、彼らは避暑に出掛けたきり
帰国したらしくその後二度と逢うことが出来なかった。

戦争中に青年期を過ごしたと男は、奔放な友人の話に
はっとする。
友人は、男が子供の時通いつめた公使館の前を通ったら、
白い服の女性に抱き着かれ、いきなり首筋をかまれたという。
男はその友人に激しい嫉妬を感じた。
しかし、その友人は空襲で焼け死んでしまう・・・。

彼の語る物語は、狂気に満ちていた・・・・。
一体どこまでが本当なのか?それともすべて幻想なのか?
やはりこの男は頭がおかしいのか・・・?

男が語る物語があまりにもミステリアスで幻想的!
怪しい魔力に満ちていて、とても面白い!!
吸血鬼伝説をものの見事に現代の犯罪と結び付け、
さらに社会派の事件として描いた!
まさに、「吸血鬼+サイコパス+警察小説」(恩田陸)!

1982年に発表され、復刊希望が相次いだ、
幻の名作と言われたホラーミステリーの大傑作!復刊。

『血の季節』
著者:小泉喜美子
出版社:宝島社(文庫)
価格:¥660(税別)

ぼぎわんの次に、「ずうのめ人形」が、来る!!?

「ぼぎわんが、来る」で第22回日本ホラー小説大賞を受賞した
澤村伊智さんの第2作目「ずうのめ人形」が発売されました!

「ぼぎわん」に登場する、ライター・野崎とその恋人で
霊能力者の真琴がこの作品にも登場するので、
シリーズになってゆくのではないかなと期待しているところです。

「ぼぎわん」が民俗伝承から生まれた怪物ならば
「ずうのめ人形」は都市伝説から生まれた怪物と言えそうです。

ずうのめ人形

オカルト雑誌でアルバイトしている藤間は、校了間際になっても
連絡が取れないライターの湯水を探すため、同僚の岩田とともに
湯水の自宅を訪ねた。だが二人はそこで湯水の死体を発見する。
その死体は顔中に「糸」のようなひっかき傷があり、自ら目を抉り
出したような状態だった。

その1週間後、湯水の葬儀の後、岩田が藤間に何かの原稿のコピーを
押し付けた。それは湯水の部屋に遺された手書きの原稿で、湯水の
死の原因はこの原稿にあると言った。
藤間はその原稿を半信半疑で読み始めた。

その原稿に描かれていたのは、「ずうのめ人形」という不気味な
都市伝説で、その原稿を読んでから藤間の周辺に顔中を「糸」で
覆われた喪服姿の人形が現れるようになる。
そして、原稿を押し付けた岩田も湯水と同じような姿で死んでしまう・・・。

「ずうのめ人形」の原稿を読んだ者が次々と亡くなっている。
その呪いは伝染するのか・・・・!?

藤間は自身への迫りくる怪異を防ぐために、湯水の後任のライター
である、野崎と彼の婚約者で霊能者の真琴に原稿の事を相談するのだが・・・。

「ずうのめ人形」の都市伝説の物語と、その原稿を読んだ者たちの
物語が交互に描かれていて、不気味さと緊張感が漂う。
都市伝説から生まれた「ずうのめ人形」の物語は‘ホンモノ’なのか?
怪異の元を断つことが出来るのか?

「ぼぎわん」も家族の隙間に入り込んでくる化物だったが、
この「ずうのめ」はそれ以外の全く関係のない人にまで呪いを
かけてしまう凄い奴!

さらに、「ぼぎわん」よりもミステリー性が高い。
絶妙なタイミングで張られる伏線。クライマックスでは
その張り巡らされた伏線が見事に回収され、さらなる
どんでん返しに‘超’驚かされることになる。

「ずうのめ人形」も最大の怖さで迫ってくる、‘超’面白怖い
ホラーミステリーだ。

『ずうのめ人形』
著者:澤村伊智
出版社:KADOKAWA
価格:¥1,650(税別)

ホラー小説フェア2016夏!本の学校はまミスコーナーで開催開始!

本の学校今井ブックセンター「はまミスコーナー」で
今年も始めました。
「ホラー小説フェア2016夏」

下記展開画像です!
ホラーフェア展開②
ホラー小説フェア全体

ホラーフェア展開①
ホラー小説フェア看板付き

今年は昨年、一昨年と比較してアイテムを多めにしました。
さらに、ホラー小説の中でもミニジャンル分けしています。
「幽霊実話系」「怪異・幽霊小説」「スプラッタホラー」
「バンパイヤホラー」といった具合です。

目玉は、先日このブログ上でも紹介した
澤村伊智さん「ぼぎわんが、来る」(KADOKAWA)
幽霊実話系では外せない、加門七海さんの「祝山」(光文社)
この作品は著者が実際に体験したことが小説になっている作品。
こわかったですよ~。過去にこのブログでも紹介しました。

そして極めつけはゾンビ・バンパイヤ系!
日本が誇る究極のバンパイヤ小説、小野不由美さんの「屍鬼1~5」(新潮社)
をずらりと並べてみました。
この「屍鬼」は、一巻目を読んだらすぐに2巻目が読みたくなります。
だんだんと怖さが増していき、闇に包まれたベールがはがれ
究極の恐怖が待ち構えています。
ただ、バンパイヤが人を襲うだけではなく、生と死についてかなり
深く考えさせられます。

読んでひたすら怖くなる本集めています!

‘ぼぎわん’・・・。怖い!怖すぎる!!!

2015年の日本ホラー小説大賞 大賞受賞作!
「ぼぎわんが、来る」澤村伊智著。
何だろう・・・「ぼぎわん」て・・
気になって検索したら、出版社のWEBサイトの「ぼぎわん」
ページに辿り着き、読んだら物凄く面白そう!
怖いと思うより読みたいという気持ちが強く働き、
ホラー小説は基本的に苦手なくせに、読みました。

いや~~~~。物語の面白さと「ぼぎわん」の怖さにぶっ飛びました。
久しぶりに‘超’面白怖いホラー小説を読みました。

それもそのはず、選考委員の方々が絶賛していらっしゃる。

ぼぎわん

小学生の時、奇妙で怖い体験をした、田原秀樹。
だが、大人になり結婚し子供を授かった。
ある日、田原に奇妙な事件が起こる。
会社に女性が訪ねてきたと同僚が教えてくれた。
だがその女性は妙な事を言ったという。
「チサさんはいますか?」と・・・。
田原の妻は妊娠中で出産を控えていた。
生れた子どもが女の子だったら、娘に
「知紗」と名づけるつもりだったのだ。それがなぜ・・・?
その時、知らせてくれた同僚の異変に気づいた!
ワイシャツの腕が真っ赤に染まり、血が
流れ出ていた!?悲鳴を上げる同僚。
一体何が起こったのか!?

やがて、娘が生まれ、知紗と名付け、妻と3人で幸せに暮らし、
SNSでパパ友の会を立ち上げイクメンを気取った。
だがある日異変が起こる!家に置いていたお守りが
ずたずたにされており、妻子は恐怖に震えていた。
田原はすぐに友人の民俗学者に相談する。
その時またもや、自分の家族を呼ぶメールが届く。
危機を察した田原は、オカルトに強いライターを紹介され、
その伝手で比嘉真琴という霊媒師に出会う。
だが、真琴から言われたのは「奥様を、娘さんを愛してあげて
ください。」たったそれだけだった。
田原は怒りを通り越し、強い憤りを感じた・・・。

しかし、真琴の田原に対する指摘は的を得ていたのだ!

子どもを狙う「ぼぎわん」。それは伝承の中の怪物。
家族に隙間が出来るとそこにつけ込み、子どもをさらおうとする
怖ろしい怪物だ。
霊媒師・比嘉真琴をもってしても消滅させることができない。
他の霊媒師と力を合わせ、ぼぎわん退治に乗り出すが、
一人の霊媒師が「こんな恐ろしい者、よばないと来ない」と
謎の言葉を残し去ってしまった。

得体の知れない何かに脅かされる主人公。
じわじわと何か恐ろしい者に魅入られたのだと気づく。
それが子供のころの体験から来るているという伏線。
ぼぎわんがなぜ田原の子どもをさらおうとするのか?
呼ばなければ来ないという意味は何か?

ぼぎわんの恐ろしさが際立っている!
そしてさらに、「ぼぎわん」が現れた真相に驚愕する。

得体の知れない怖ろしい怪物との闘いと、
それがなぜ現れたのかを追うミステリー仕立て。

とんでもなく恐い!とんでもなく面白いホラーミステリーだ!

『ぼぎわんが、来る』
著者:澤村伊智
出版社:KADOKAWA
価格:¥1,600(税別)